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<<   作成日時 : 2016/06/01 09:04   >>

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 先週はアラビア語週間であると同時に、インド週間でもありました。(※6/2、6/12追記あり)

 一月ほど前、ふとしたきっかけでDMM英会話にインドの先生がいることに気づき、試験が終わったら話そうと思っていたのです。

 幸い先週、火曜から金曜まで4人のインドの先生と話すことができました。そこで聞いた話をここにまとめておきます。


言語


 さすがは多言語国家インド。先生方の母語は4人4様でした。英語、タミル語、グジャラート語、カッチ語。その上、全員が4、5言語話せると言っていました。母語と英語、ヒンディー語、マラーティー語など。中には似た言語もあり、たとえばグジャラート語とマラーティー語は、相互理解が可能だそうです。

 出身は、中西部のムンバイ周辺(アーリア系語圏)が二人、南部(ドラヴィダ系語圏)が二人。

 インド人の英語って聞き取りにくいというイメージがあったのですが、さすが、どの先生も聞き取りやすい英語をお話しになる。とはいえ、たまにエキゾチックな響きが混じることも。

 面白いのは、南部出身の先生と中西部出身の先生で発音の雰囲気が異なること。アーリア系母語者の英語には、舌打ちするようなクチャッという音がときどき混じる。南部出身の先生の発話にはそういう音がなく、thの音がtに近い気がする。これはやはり母語の影響かな、と思いました。


宗教・食事


 4人のうち3人がヒンドゥー教徒。あとの一人はジャイナ教。「ジャイナ教って、あの大きな白いターバン巻く?」と尋ねたら、「それはシーク教。ジャイナ教は仏教にとても似た宗教なんだよ」と笑われてしまいました。

 話を聞いた感じでは、方向性は仏教と似ているけれど、戒律が厳しい印象。特に不殺生に関してとても厳しい。動物を殺すことを禁じているので、先生はベジタリアンなのだそうです。

 先生は蚊は殺すそうですが、もっと厳格な人は、虫も殺さないし、植物でも、根菜類は食べないそうです。

 じゃあ何で栄養を取るのかと思ったら、レンズ豆など、豆類からたんぱく質を摂取するのだそう。


 ベジタリアンはジャイナ教徒のこの先生だけかと思ったら、ヒンドゥー教徒の他の先生もベジタリアンだそうです。3人のうち少なくとも2人がベジタリアン。ヒンドゥー教徒が食べないのって、牛肉だけじゃなかったんですね。鶏や魚、卵も食べないそうです。

 どの先生も、自分でベジタリアンになることを選択したというよりは、子どもの頃からそういう食生活だったようです。肉や魚を食べるという習慣がそもそもないのでしょうか。

 でも、子どもの頃は卵は食べていたけれど、今は食べない。最近牛乳を飲むのもやめた、という先生もいました。


画像
わたしもインド料理を食べてみた^^。



カースト制度


 ある先生が、以下のような用語を教えてくれました。

SC and ST(Scheduled Caste and Scheduled Tribes)
 日々の食べ物にも事欠く貧困層。

BC, MBC, OBC(Backward Caste, Most Backward Caste and Other Backward Class)
 先生によれば、いわゆる「庶民」。

OC(Other caste)
 先生によれば「金持ち」。


 あとから調べたところによれば、元々これはインド政府による雇用優遇や助成に関する区分けのようです。OCは富裕層というほどではなく、公的な優遇措置の対象外、ということらしい。

 この区分けはカースト制とも密接な関係があるようで、SCはかつて「不可触民(Untouchable)」と呼ばれた人々(Dalit)とほぼ一致、STは「森の民(Adivasi)」に一致し、いずれもアウトカースト(4つのカーストのいずれにも属さない)人々のようです。

 一方で、経済的に恵まれたOCは主に三つの上位カースト(現在ではVarnaと呼ばれる)に属する人々(バラモン、クシャトリア、ヴァイシャ)で構成される。ということは、残る中間層は4番目のカーストであるシュードラに属する人々がメインということになるのかな。



 人口比率はそれぞれSC&STが28.2%、OBC41.1%、OC30.8%(ウィキペディア参照)。

 被差別民というのは、数が少ないから差別されるのかと思いきや、なんと30%近くがアウトカーストなんですねえ。人口においてこれだけの割合を占める人々が、社会的、経済的に自分が不利な価値観におとなしく従い続けているのが不思議。ほかの宗教に改宗して別の価値観で生きるとか、考えないのかな?



 ・・・と思ったら、やはり下位カーストが他宗教に改宗している例がありました。

ヒンドゥー教から他宗教へ改宗することによってカースト制度から解放されることもあり、1981年にミーナクシプーラム村で不可触民が抗議の意味もふくめてイスラム教に改宗した。
またジャイナ教やシク教、ゾロアスター教では現実的な影響力や力によりその社会的地位が決まり、ヒンドゥー制度から解放されているため、カースト上位でない裕福層に支持されている。
wikipedia カーストより)

カースト制度に苦しんでいたダリット(旧不可触民)の指導者、アンベードカル(初代インド法務大臣、インド憲法(en)の起草者)が三宝・五戒を授けられ、彼を先頭に約50万人のダリットが仏教に改宗
wikipedia 新仏教運動より)

 それでかな、この人口構成比を見ると、仏教徒は異常にSCの割合が高い。仏教徒だから貧困なのではなく、貧困層が仏教に改宗しているのかもしれません。しかし、その運動の中心人物が日本人というのがビックリ。

 ジャイナ教やゾロアスター教でOCの割合が非常に高いのも、下位カースト出身の裕福層からの改宗者が多いからかも。現在はインドの全人口に占めるヒンドゥー教徒の割合は8割以上のようですが、もしかしたら将来は変わってくるかもですね。それとも、差別がなくなるほうが先かな。

 いずれにせよ、SC、OBC、BCといった用語を教えてもらえてよかった。現在のインドの社会層を知るキーワードとなりそうです。



 ところで、現在ではカースト制度は法的には何の効力も持ちませんが、先生によれば、結婚は同じカースト同士がほとんどだそうです。なぜかというと、男性も女性も、自分よりも下のカーストとは結婚したがらないからだそうです。

 先生の一人はお見合い結婚で、ご主人とは結婚する前には一度、互いの顔を見たことがあるきりだそうです。「自分で結婚相手を選ぶことはできないのか」と尋ねたら、「親に『こんな人がいい』という好みを伝え、自分の代わりに探してきてもらう」とのことでした。



 面白いなー。先生方の話があまりに面白かったので、インドの暮らしに関する本を3冊図書館から借りてきて読みました。どれもインドの子どもの生活を描いた子ども向けの本で、写真満載^^。こういう本は大好きです。


 試験が終わり、やりたいと思っていたことが思う存分やれて、幸せ〜! すっきり! ひとまずこれでインド週間は終わりにしたいと思います。


画像



 6月2日追記: 5人目のインドの先生のレッスンが取れたので、ここに追記。これでDMMのインドの先生と全員話せたことになります。

 5人目の先生もヒンドゥー教徒で、ベジタリアン。両親は二人ともヒンドゥー教徒だけれど、母親はベジタリアンで、父親は肉も食べる。子どもの頃は肉も食べていたけれど、ガンジーに影響を受け、自らベジタリアンであることを選んだそうです。ヒンドゥー教徒におけるベジタリアンの割合は半々くらいだそう。

 またヒンドゥー教徒は牛肉を絶対食べないのかと思ったら、そんなことはなく、わざわざ家で料理して食べるようなことはしないが、レストランで出されれば食べるし、特に海外では食べるそうです。 

 母語はタミル語で、英語のほか、グジュラート語とヒンディー語が話せるそう。お父さんはタミル語圏出身、お母さんがグジュラート語圏出身で、お二人はお見合い結婚だそうです。

 通常、インドのお見合い結婚は、結婚前に一度会うや会わずだそうですが、先生のご両親の場合は本人同士が結婚を決めたそう。まだまだ恋愛結婚よりもお見合い結婚のほうが一般的だそうですが、お見合い結婚といっても必ずしも親が決めるわけではなく、新聞で結婚相手を募集したり、最近ではネット婚活が人気だそうです。

 ちなみに先生のご両親は出身カーストが違うと言っていました。先生はまだ独身ですが、結婚相手の宗教がヒンドゥー教徒でなくても全く構わないそうです。


 カーストについて。インドで「カースト(caste)」といったらそれは我々が歴史で習った4つの身分(ヴァルナ(種性 varna))ではなく、職業や地域に応じて何千にも細分化された区分けなのだそう。(おそらくジャーティと呼ばれるもの)。

 この区分け(カースト)は現在でも根強く、誰でも自分がどのカーストに属するか知っているし、結婚などの際には自分より下のカーストと結婚するのを嫌がる人が多いそう。

 その数千のカーストは、例のOC、OBC、SC、STに大別され、その別は身分証明書に記載されているそう。それぞれの区分に応じて雇用の分配が決められているので、就職の際には必ず身分証明書を見せる必要があり、大都市では誰がどの区分けか分からないが、田舎の狭い社会では誰がどの階層かが知れ渡ってしまうので、差別が起こりやすいとのことでした。

 なぜ中間層であるOBCに「 Backward(遅れた)」という名称がついているかを尋ねたら、それはこの区分けが100年くらい前に作られたもので、当時はこの層は教育に関心がなく、経済的にではなく、教育的に遅れていたからだそう。

 当時、その教育程度に応じ、ヒンドゥー教徒のみならず、すべての社会コミュニティを、このカテゴリに区分けしたのだそうで、全体的な傾向としては、OCは豊かで、OBC、SC、STに行くほど貧しい傾向にあるものの、そもそも経済的な区分けではないし、何しろ分類されたのが昔のことなので、億万長者のSTもいるし、貧しいOCもいるとのこと。


 この「SC / ST、BCおよびOC」という制度が一体なんなのかよく分からなかったのですが、この先生と話したことで、ある意味よく分かり、ある意味ではますます分からなくなりました \(^o^)/

 だって、曾祖母の代の教育程度が世襲されて自分の身分証明書に書かれる、ってことでしょ? しかもそれは個人ではなく、コミュニティごとに決められたもの。

 これは一応、就職の際の優遇措置、ということになっていて、下位の区分ほど就職において優遇されるわけですが、社会的な区分けを身分証明書に記載するのって、逆に差別を助長することになりはしないのだろうか?? 現在のインドの法律は、カーストによる差別を禁止しているそうですが、この区分けがカーストに基づいているということは、少なくともカーストの存在を肯定しているってことかな?



 いやー、インド、摩訶不思議! 謎すぎる。

 でもとにかく、すごーーーーーく面白かったです^^。


 


 6月12日追記: DMMに6人目のインドの先生が誕生したので、早速レッスンを予約しました。

 初めて北インド出身の先生でした。

 話せる言語はヒンディ語(母語)、パンジャーブ語、英語。パンジャーブ語とヒンディ語はよく似ており、ヒンディ語が分かれば、パンジャーブ語も一部理解が可能だそう。

 ベジタリアンではありませんが、肉は鶏肉しか食べないそうです。ヒンドゥー教徒なので牛肉は食べないそうですが、豚肉は海外では食べたことがあるそうです。

 インドでは、男性の平均結婚年齢は27歳くらい、女性は24、5歳で、結婚適齢期の先生に、ご両親が縁談をたくさん持ってきて大変だそう。でも先生は、できれば恋愛結婚したいそうです。


 

 

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