二つの甘酒

わたしは甘酒が大~好き!
甘いから太るんじゃないかと思いつつ、冬になると、ついつい鍋いっぱいに作っては、ゴクゴク飲んでしまいます。
ところがね、酒粕(酒かす)を買ってうちで作る甘酒は、どうも市販のものほど美味しくない。ショウガ汁を入れたり塩を入れたり、砂糖の量を変えてみたり、いろいろ試しましたが全然ダメ。市販のものにどうしても敵わないのです。
第一見た目からして違う。ビニールの小さな袋に入ってスーパーに売ってるのは、米みたいなツブツブがはいっているんですよね。あれが美味しいの。でも酒粕をどうやったらあんなふうに粒粒になるの? 内心不思議に思いつつ、いまいちな自家製の甘酒に甘んじていました(笑)。
ところが先日、やはり家で酒粕と格闘した挙句、ふと思ったのであります。
ひょっとして市販の甘酒と家で作る甘酒って、どちらも甘酒という名前だけど、実は別物なんじゃないのかな?
って。
だってどう考えても味違うでしょ。食感も違う。匂いも違えば、見た目も違う。これは、一流フランス料理店で食べるビーフシチューと、うちで作るビーフシチューの味の違いとか、そういうのとは根本的に違う気がする。
‥で、ついに調べてみたのであります。
そしたらやっぱり。
「甘酒」と呼ばれるものには2種類あったのであります!!
(参考: wikipedia 甘酒の項)
‥って、え、もしかして、ご存知でした??
でもわたしにとっては、驚愕の事実だったんです。
子供の頃から、家で作る甘酒と言えば、酒粕から作るものでした。
うちでは「粕酒(かすざけ)」とも呼んでいました。
作り方は簡単。酒粕を湯で煮溶かして、(すり鉢で擦ると溶けやすい)砂糖を入れるだけ。
で、縁日の出店やスーパーで袋に入って売っている甘酒は、炊いたご飯に麹(こうじ)を入れ、一晩発酵させて作るのだそうです。発酵させることにより、でんぷんが糖化して甘くなるので、基本的に砂糖は不要。
なんと、原料からして全く異なるものだったんですね。‥ま、元を正せばどちらも米が主原料ってところは同じですが。道理で、見た目も味も香りも全然違うと思ったわ。
米麹から作る後者の甘酒も、家庭で作れるとわかり、早速作ってみました。
「こうじ」なんてどこに売ってるのか、どんなものなのかも知りませんでしたが、ダメ元で近所のスーパーに聞いてみたら、冷蔵のコーナーに置いてありました。普通のスーパーに普通に売ってるものだったとは‥。意外でした。ちなみにお値段は200グラムで330円。
作り方は、こうじの外袋に書いてあった「甘酒のつくりかた」を参考にしました。
① まず、もち米を一合おかゆに炊き、少し冷ましてから麹を袋半量加え、よく混ぜました。
② 炊飯器に60度くらいのお湯を張り、その中に①を入れたボウルを浮かせて「保温モード」にし、フタは閉じないでハンドタオルをかけておきました。
③ 2、3時間に一度様子を見て混ぜ、あとはそのまま12時間ほど放っておきました。時間がたつにつれ、だんだん黄色っぽくなってきます。
④ 更にここに水を加えて2~3倍に薄め、鍋に移して沸騰させ、こうじ菌を殺して発酵を止めたら完成!
お米のつぶつぶが残った、市販のと見た目そっくりな甘酒が出来ました^^。


酒粕から作ったほうは、どろりと濃厚な感じで、お酒の香りがします。
米麹から作ったほうは、さらりとした感じで、甘い香りがします。
わたしの好みは米麹から作ったほうですが、うちで作ったものは「甘いお粥」っぽい感じがして、ちょっとザラリとした食感が残ります。市販のものほど美味しくはできませんでした。
試しに両方混ぜてみたら、けっこういける^^。市販品でも、両方混ぜてあるものがあるようです。
米麹で作るほうの甘酒に関してですが、昔は冬より夏によく飲まれたらしく、今でも俳句の世界では、「甘酒」は夏の季語だそうです。成分が点滴に似ており、夏バテ防止の効果があるのだとか。
そこでわたしも、氷を浮かべて冷甘酒を作ってみました。‥うん! 美味しい♡
夏に飲むのもいいですが、冬、あったかいおこたの中で飲むのもいいかも~♪
熱く熱してフーフーしながら飲む甘酒とはまた違った趣があります^^。
ところで、わたしは今回初めて知りましたが、甘酒が二種類あるという事実って、一般によく知られていることなんでしょうか?
関東の一般家庭では酒粕から作るのが普通だけど、他の地方では米麹から作る、というような記事もありました。地方による違いもあるのでしょうか。普通のスーパーで普通にこうじが売られていることからしても、甘酒を米麹から作る家庭も稀ではないのかもしれませんね。
酒粕から作るほうは、昔は「糟湯酒」と呼ばれていたようです。一度知ってしまうと、この「糟湯酒」と米麹から作る「甘酒」では、全く別の飲み物のように思えます。
でもその事実を知らなかったこれまでは、「なぜこんなに味が違うのだろう」といぶかりつつ、十把一絡に「甘酒」は「甘酒」でしかないと思い込んでいたのが不思議です。もしこれが違う名前だったら、とっくに別物と認識していたでしょうにね。