巾着田・曼珠沙華

彼岸花の群生 秩父の巾着田に曼珠沙華を見に行ってきました。高麗(こま)の里はなんとなく、益子に似ていました。

 曼珠沙華の群生で有名な「巾着田(きんちゃくだ)」は、秩父の玄関口にあたる埼玉の飯能駅から二駅いった高麗駅の近くにあります。西武池袋線で池袋から約1時間。池袋までは湘南新宿ラインでいけば、横浜からでも2時間とかかりません。なんだ、意外と近いじゃない? ここ数年、9月になるたび、林の地面を埋め尽くす曼珠沙華を見てみたいなあと思いつつ、どうせ遠いんだろうと勝手に決め込んで重い腰をあげずにいたのが馬鹿みたい。バスツアーも考えましたが、電車のほうがずっと安いし、歩く距離も短いようなので、電車でいくことにしました。




彼岸花の群生


 まあ、それはともかく、どうです?! この曼珠沙華!! まるで赤いじゅうたんのようでしょう? 雨だったし、写真の出来もいまいちですが、それでも言葉を重ねるより、まだ写真のほうが分かってもらえる気がするので、敢えて大きく載せます。言葉って無力だなあ、と感じるのはこういうとき。




彼岸花の群生


 曼珠沙華の背後に流れるのは高麗川です。巾着田は、高麗川の蛇行により、三方を川に囲まれて口のすぼまった、まさに巾着のような形の土地。そこに曼珠沙華の咲き乱れる林はあるのです。



彼岸花 咲いたばかりの美しい花。花を美しく撮る秘訣は「シンデレラ探し」です。数ある姫の中から、中でもひときわ美しい姫を探すの。人間の目は実に都合よくできていて、群生が美しいと思うときは、案外、一番美しい花のイメージを頭の中でコピーしているもの。写真で人に伝えるときにはそのまやかしが効かないから、この作業を作為的に行わなくてはなりません。



彼岸花
 真っ赤なじゅうたんの中に、ひとつだけ白い花。そういう花は無条件にシンデレラになってしまうから不思議。色違いの特権ですね。



 彼岸花をすっかり堪能して、さあ帰ろうと、傘をさして帰りかけたとき、ふと、一段高くなった土手の上を歩いてみようかと思い立ちました。そしたらなんと!! 土手の向こう側は一面のコスモス畑でした! すごい広さ! ずっと彼岸花の咲く木立の中にいて、覗き見の構図を楽しんでいた。そこに突然、広く広く、視界が開けたのですから、そりゃあもう、驚いたの何の!

コスモス畑


 ああー、その広さ、その驚き、どうしたら伝わるかなあ?? ここも、とりあえず、写真をご覧あれ。

コスモス畑



コスモス畑 危うくこのコスモスを見ずに帰ってしまうところでした。マヌケもいいところ。ここが彼岸花だけでなく、コスモスの群生でも有名だということを知っていたのに。彼岸花とは時期がずれているのだろうと、なんの根拠もなく思い込んでいたのです。

 そういえば、巾着田にくるまでの道すがら、コスモスの花束を抱えた人がいましたっけ。ここで手に入れたのですね。きっと販売所があるのでしょう。

 …と思ったら、ただの販売じゃなかった。畑の中から、自分で選んで20本切って、200円なのですと。


 …いや、ありえないでしょう。この天候で傘をさしつつコスモス摘みなんて。畑はぬかるんでいるし、空からは止めどもなく雨が降ってくるし。だいたい、わたしは2時間かけて横浜に帰らなくちゃならないのよ。切った花をとてもきれいに持って帰れるとは思えない。だいたい、コスモスなんてうちの近所の河原にだって咲いているでしょう。20本とはいわないまでも、ハサミ持参で毎年何本かちょちょいと拝借しているじゃないですか。花屋で買ったってそう高いものではない。わざわざこんな遠くで摘んで帰らなくても…。

 そう思った。確かに、そう思った。そしてある意味では、多分、その判断のほうが正しかったんじゃないかと思います。でも…、でもね…。どうしてもやりたくなったの。どうしても、この広さ、この驚きの証拠を持って帰りたくなった。だからハサミを借りて、コスモス摘みにせいを出しました。雨の中。傘さして。

コスモス畑


 案の状、スカートは泥だらけ。サンダルはヌルヌルになりました。初めて経験したけれど、20本コスモス切るのって大変なのね。どれでもいいなら簡単だけれど、こだわって選ぶとなると、そりゃもう、大~変! あぜ道に面していない奥のほうまで、入っていかなければならないし、虫なんて大キライなのに、気づけば、切ったコスモスの枝についた虫を手で払い落としていたりなんか…。そのうち邪魔な傘なんか放っぽりだして、もう無我夢中でした。

 ああ、でもこれが、本当に楽しかった。家に持ち帰ったコスモスの束は思ったとおりずいぶん傷んでいましたが、これは、コスモス20本買ったんじゃなく、この楽しい時間を買ったんだって思っています。雨の中、コスモス畑で格闘したことは、ずっと忘れないと思う。






フォックスフェイス それから、コスモス狩りと同じくらい楽しかったのが、高麗駅から巾着田までの往復の道です。地元の農家が自分の家の庭先にそれぞれテントを出して農作物を売っていたのです。それを見て歩くのがとても楽しかった。

 農作物といっても、そこはそれ、近郊農業。園芸農業なんですね。売り物のメインは食用作物ではなく、観賞用の花や実でした。食べて食べられなくはないのかもしれないけれど、カボチャ、とうもろこし、花ナスなど、一応これらは観賞用。それに稲穂やガマの穂、ワタの実とか。「全部畑で取れたものばかりですよ!」って、うれしそうに売り子さんが売っていました。それ見て、「ああいいな」、って思いました。益子で感じるのと同じ感慨です。自分の作ったものを自分の手で売っている人は本当に良い顔をしている。それを見ているこっちまでうれしくなる。


とうもろこし花ナス


アレンジ それで楽しくなって、小さなかごにアレンジされたカワイイ観賞用農作物の詰め合わせをついつい買っちゃった。ずいぶんオマケをつけてくれたので、アレンジもなにもあったものではありませんが、この賑やかさがとても気に入っています。さしずめ収穫祭のお飾りといったところ。キウイやクリや唐辛子も入っているので、晩御飯のおかずに困ったら、だんだん減ってくるかも?

 色があんまりきれいだったものだから、家にすでにあるトウガラシの鉢植えもひとつ。ほかにも、町の陶芸家さんが作った小さな豆皿とか。どれも子供がお小遣いで買えるようなお値段。お札を出さないコインのやり取りは、まるでお店屋さんごっこみたい。

トウガラシ



 ただただ楽しい秋の一日でした。たぶん来年もまたこの時期に行くだろうな。その次の年も。毎年行くところがまたひとつ増えました。わたしは本当に幸せものです。

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