アラビア語学校の日常 その1 東京ど真ん中のアラブ世界

ナツメヤシ

 9月から、学校に通っています。学んでいるのはアラビア語。一日4時間、週5日。ちょっとばかり風変わりな日常です。

 学校は、サウジアラビア大使館の公費で運営されています。だから授業料はタダ。校舎は都心のど真ん中にありますが、治外法権で、空気のにおいからして日本とは違います。毎朝学校に着くと、守衛さんにアラビア語で挨拶し、正午になると併設のモスクからアザーンが聞こえてくる日々。毎日海外留学しているような気分です。

 ここはアラビア語を学ぶ場所として、おそらく日本国内では最高の環境です。通常授業のほかにクラブ活動やら課外授業、特別講習などがあり、その気になれば朝から晩までアラビア語にどっぷり浸かることも可能です。イベントも多く、学習の成果を発揮する場もあるし、アラブ料理やアラビックコーヒー、ミントティーなどを口にする機会もちょくちょくあります。

 ここでわたしが学んでいるのは、いわば「文化と言葉のマハシー(ロールキャベツ)」です。言語の習得というのはひき肉を食べるようなもので、ただそれだけを習得しようとしても、ボロボロ崩れてうまく口に運べない。でも、文化というキャベツの葉にくるんで口に入れれば、すんなりと飲み込める。これが最も健全にして効率のよい言語習得方法だと思っています。先生の気まぐれな雑談も、ちょっとしたコックさんの手伝いも、アラビア風のトイレで用を足すことまでも、何から何まで、学校にいる間に経験するすべてのことが、アラビア語取得に直結した学習です。文法だの読解だの、そんなものは家にいたっていくらでも一人で学べる。わざわざ片道1時間半かけて毎日通うのは、こういうことが経験できるからです。通学は決してラクではありませんが、学校に着いてさえしまえば、毎日が新しい人・物との出会い。ヘエエ~と驚くことの連続で、非常に有意義で濃密な時間を過ごしています。

 ところで入学の際、学校に提出する書類を揃えるために受けに行った健康診断で、「アラビア語なんて変わったものを習うからには、さぞかし学費がかかるでしょ」と言う医師に、「実は授業料タダなんです」と答えると、「エッ!! タダ?! それって、ヤバくないですか? もっとよく調べたほうがいい」と心配されました^^;。同様の心配をしてくれる人は他にも大勢いました。でもおかげさまで今のところ、特定の宗教を強要されることもなく、高価な教材を売りつけられることもなく、まして何かの密輸に加担させられることもなく(笑)、のびのびとアラビア語を学んでいます。

その2につづく


・ アラブイスラーム学院

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