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zoom RSS 「フィンランド 豊かさのメソッド」 堀内都喜子

<<   作成日時 : 2014/01/09 18:32   >>

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 図書館でトルコに関する本を探していたときに見つけ、つい手にとって読んでしまった一冊。著者はフィンランドの教育大学に5年留学していた方です。ヘエエ、と思う箇所が多かったので、引用します。



・ 「フィンランド豊かさのメソッド」 集英社新書  堀内 都喜子



 ある学力調査でフィンランドが世界一になったのは有名な話ですが、その最大の理由は「教師の質の高さ」にある、と著者は述べています。

フィンランドの教師は小中高、どのレベルであってもほとんどが修士号をもっている。さらに専門はなんであれ、教職課程を受けていなければ正規の教師にはなれない。(中略)知識だけではなく、教師にふさわしいかどうか、人間性を判断する適性検査がおこなわれ、それに受かった者だけが教職課程を受講できる。(p.60)

高校を卒業してすぐにこの学部(※小学校教員養成学部)に入るのはむずかしく、多かれ少なかれ学校や子どもにかかわる仕事をして経験を積んだり、教育関連の勉強を自主的にしたりして、二度、三度と入学試験を受ける生徒が多い。(中略)すでになんらかの教師の経験がある者も少なくない。(p.63)


 これは教育学部だけが特殊なのではなく、そもそも大学の位置づけが日本とはだいぶ違うようです。

大学でフランス語やドイツ語などの言語を専攻したい場合、入学時点ですでに高レベルの語学能力が問われる。したがって留学などを経て語学力に磨きをかけないと、なかなか言語系学科に合格するのはむずかしい。(p.77)


 ・・・ということは、大学入学時の年齢も高いのでは?と推測したら、ビンゴ。

ちなみにフィンランドで害学に入学する学生の平均年齢は二十三歳(p.80)
だそう。


 つまりフィンランドでは、大学とは「何かを教わりにいくところ」ではなく、「独自に学んだ研究の仕上げをしにいくところ」なのですね。

 ・・・っていうか、日本だってそもそも大学の意義はそういうことのはずなのでは?

 でも現実には受身な学生が多い。

 フィンランドでは
授業料が無料ばかりか、毎月約五百ユーロを支給(p.79)
だそうですが、ヤル気のある学生しかいない状態でこそ、こういう制度が活きるのであって、支給制度だけ真似しても、ただの税金の無駄遣いに終わりそう。


 教師の質の高さの次にフィンランドの教育の良さとしてあげられるのは、生徒間、学校間の学力差がないということだ。私立の学校は存在せず、どこの学校もほぼ一律に同じレベルとなるように努めている。(中略)学校内も同じことで、能力別編成クラスはなく、どのクラスも均一になるようになっている。(p.68)

 でもじゃあ、飛びぬけてできる子はどうすればいいのかというと、「飛び級」させるのだそうです。しかも、全ての教科を飛び級させるのではなく、教科毎に、様子を見ながら、上の学年の授業に出席させていく。

 これは合理的。一つの学年を細分化するより、話が早そう。



 教育制度について触れた部分は、この本の一部に過ぎず、他にも政治とか、経済とか、生活など、いろいろなトピックがあるのですが、わたしにはダントツに教育の部分が面白かったです。

 サウナとか森の生活などは、フィンランド本の定番なので、いまさら驚かない。まあ、赤ちゃんに厚着させて零下10度の庭に数時間放置して昼寝させる習慣があるとか(外のほうが空気がきれいだからだそう)というのにはさすがに驚きましたが。

 とまれ、アマゾンの書評(30もある)を読むと、同じ本でも、読む人によって興味をひかれたテーマは様々なようです。

 教育大学に留学していた著者が書いた本だから、教育の部分が一番詳しくて面白いのだろうと思いながら読んでいたのですが、もしかして、この部分が面白かったのは、自分の興味とマッチしたからなのでは?とレビューを読んで思いました。

 とくべつ教育に興味を持っている自覚はありませんが、わたしも二人の娘を育てた母親だから、日本の教育に文句の一つや二つや三つや四つや百くらいは言いたいことがある。特に教師の資質に関しては、これで同じ給料か、と思うくらいピンキリ。学級崩壊も経験し、えらい目にあいました。その辺の古傷がうずいた・・・もとい、問題意識をくすぐられたのかもしれません。

 これだから本を読むって面白い。外からの知識を得るだけでなく、自分の中にあるものが透けてみえるから。





フィンランドのラップランド。flickrよりお借りしました。 







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