発音について思うこと

 最近、himaさんが、中国人に日本語を教えるときの発音(※イントネーション、リズム等を含む)指導の苦労について書いていらして、これが非常に興味深い。

 ・ 聞こえたとおりに発音、とは?

 ・ 無声化? 私には聞こえます。


 相手にとって「見えないもの」「聞こえないもの」を一生懸命「見せよう」「聞かせよう」とするhimaさんの工夫と熱意がすごい。


(前略) 「文字は追わなくていいから、聞こえたとおりに発音してください」と言っても、全然違う音が返ってくるんですね。

 聞こえたとおりに、と言っても、私が言った通りには聞こえていない。

 うーん、わかるなあ・・・。分かりすぎるわー。

 ・・・って、いや、教える側の苦労は、本当には分かるとは言えないかもしれない。わたしは常に学ぶ側なので。

 でも、立場は逆でも、この状況の動かしがたい困難さは、痛いほどわかる。


 「そうなんだよー、聞こえないんだよー。一体どうすればいいんだよぉー」ってカンジ。「そこにユーレイが立っているだろうが」、といわれても、霊感がないわたしには感知できない。それと同じ。(え、違う?)




 でもまあ、ありがたいことに世の中には文字というものがあって、表音文字の場合、これを読めば、理論上、発音が分かる。

 そしてまた、「この発音はこういう口の形で行う」という発音指導もある。

 だからこの二つを組み合わせて、形から入ることに甘んじています。つまり、舌の位置とか口の形など、お手本を真似て形をつくり、それで音を出す。

 実際にそれでどの程度正しい音が出せているのかは分からないけれど、一応先生のオッケーをもらったら、こんな程度ですが、よろしく、って感じですかねえ・・・。


 元々わたしは発音に無頓着で、9年前にフランス語を始めたときは、最初の発音指導のページは全部飛ばして読みました。だって退屈で。読んでもどうせできないと思い、読まなかった。

 でも新しい言語を始めるたびに、発音への取り組み方が少しずつ真面目になっていき、今はけっこうこだわっています。

 こだわるったって、上記のような程度ですけどね。

 「発音なんて簡単。ただ聞こえたとおりに発音しているだけです」とか、一度言ってみたいわー。でも口が裂けても言えない・・・。




 ただ、自分なりに、出来る限りの努力はしようとは思っています。それがわたしの、各言語に対する敬意の払い方だと思っているので。



 そう思うに至ったきっかけは、アラビア語で学校に通ったことです。

 そこでどんな生徒がネイティブの先生にウケがいいかって、ズバり、発音の良い生徒だったから。きれいな発音の音読を聞くと、どの先生もすごく嬉しそう。発音の良い生徒には目じりを思いっきり下げて、手放しで褒める。

 彼らにしてみれば地の果てのような、こんな東洋の端っこまでやってきて、母語アラビア語の美しい発音に出会うと、よほど嬉しいんでしょうね。だから発音を気にかけることは、その言語を尊重することなんだって、そこで学びました。

 わたしも一度くらい褒められてみたいものだと思いつつ、でも残念ながら、アラビア語で発音を褒められたことはまだ一度もありませんが。たぶん、ヘタクソなアラビア語を我慢して聞いてもらっているんだろうなあ。先生方、ごめんなさい。


 わたし自身、中国へ行くと、中国人ガイドさんの聴き取りにくい日本語に辟易します。彼らにとっては外国語である日本語をこんなに頑張って喋ってくれているのだから、感謝してもよさそうなものなのに、中国語のようなリズムの日本語は拝金主義の臭いがプンプンして、何か勧められても絶対買う気にならない。

 ところがたまに本当に日本語のお上手なガイドさんがいて、その自然な日本語の口上に乗せられて、思わず真珠クリームを買ってしまったことがあります(笑)。なんとなく、「この人だけは日本人の味方」って気がしちゃったんですね。不思議なことに。ちなみにその真珠クリームはバカ売れでした。


 なんだろ。発音やイントネーションというのは、本能的な仲間意識や信頼感と結びついているのかもしれませんね。不自然な発音に対しては、自動的に強力な警戒心が発動し、その緊張はそう簡単に解除されない。その半面、自然な発音には、いともたやすく理屈抜きで気を許す。

 つまり、自然な発音には、心のバリアを超える力があるんじゃないか。「通じるレベル」の発音の上にもう一段、「相手が気を許すレベル」の発音があるんじゃないか。

 発音が悪くて通じなかった、という経験はないので、とりあえず「通じるレベル」には達しているのかな、と思いますが、できれば「相手が気を許すレベル」になれたらいいな、と思う。

 「頑張る」と「出来る」はイコールではないけれど、一応、そのレベルを目指しているつもりです。




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中国ってことで、懐かしい写真を引っ張り出してみました。南翔の古猗園。



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ついでに、これが買ってしまった真珠クリーム。
一瓶たしか1000円もしたのよぉ・・・。でも全然使ってない;;




 ※ わーい、ここしばらく、書きたいけどうまく書けないと思ってたことが、今朝読んだhimaさんの記事をきっかけに、書けた~!

 みなさん、ご声援ありがとうございます。なんだかちょっと、書けそうな気がしてきたーー!




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  • RとL

    Excerpt:  ああああ、昨日書いた記事を読み直して、やっぱり自己嫌悪 何が言いたいんだか、サッパリ分からない。わたしって構成力に呪われているかも~~。 Weblog: うさぎメモ@多言語に夢中 racked: 2014-10-31 19:40