聞き分けられないとはどういうことか

 ここ数日、RとLのことばかり考えていました。先週、「RとLが聞き分けられない」と書いたのがきっかけです。

 ブログに「できない」と書くと、今まで「できない」と頭から信じていたことに疑念が湧くんですよね。「本当にできないのかな?」「もしかして、何か方法があるんじゃないか?」って。

 普通、「できる」と書くと「できる」と思える、という話を聞きますが、わたしは逆。自分のセリフほど胡散臭いものはなく、真っ先に疑ってかかる(笑)。

 まあそんなわけで、この機会になんとか少しでも聞き分けられるようにならないかな、と思い、ここ数日、RとLに関していろいろやってみたわけです。

 具体的には、何度も口で言ってみたり、それをiPodに録音して聞いてみたり(PCM録音という無料アプリを使いました)、スカイプレッスンでもRとLのあてっこをしたり。



 もちろんそんなことくらいで、「聞き分けられるようになった~!」なんて言えるほど、世の中甘くはない。


 でも、そもそも今どういう状況なのか、何か問題なのかなど、いろいろ分かってきたこともあるので、ここにメモっておきます。




「聞き分けられない」というのはどういうことか

 そもそも「聞き分けられない」というのは、どういうことなのか。

 「聞き分けられない」といっても、違う音であることは分かるらしい。全く同じ音に聞こえるわけではないようです。

 たとえば、light、light、light、light、light、light・・・と繰り返される中に一つだけrightが混ざっていたら、どれが仲間はずれかは分かる。

 lightかrightを両方聞いて、「どちらがRでどちらがLか」も当てられる。「分かる」というより、「当たる」というレベルだけど(笑)。

 ただ、lightかrightかどちらか一方を聞いた場合は、それが「RかLか」、当てるのは難しい。


 つまり。


 1.「音の違いが分からない」わけではない。

 2.「どういう音がRで、どういう音がLなのか」が分からない。


 要は、聴覚の問題ではなく、認識の問題なんですね。




RをLから区別する

 これまでは「RとLが聞き分けられない」と思っていましたが、それはつまり、「Rを、Lと区別できない」ということではないか、と気づきました。つまり、Lを固定して、Rの問題だと考えるとわかりやすい。

 なぜかというと、Lは安定して一つの音に聞こえるけれど、Rは時と場合によって、いろいろに聞こえるからです。

 実際、Lと呼ばれるのは「歯茎側面接近音( l )」という音だそうですが、Rはいろいろな種類があるそうです。




区別しやすいR、区別しづらいR

 ウィキペディアには8種類のRがリストアップされています。今のところ、わたしに関係あるのは以下の4種類です。


 1.フランス語のR(有声口蓋垂摩擦音 [ ʁ ])。

 2.英語のR(歯茎接近音 [ ɹ ])。

 3.巻き舌のR(歯茎ふるえ音 [ r ])。スペイン語の語頭、ロシア語、アラビア語など。

 4.日本語の語中のラ行(歯茎はじき音 [ ɾ ])。トルコ語、スペイン語の語中のRもこれ。


 発音しやすいのは、4→3→2→1の順。つまり、語中のラ行→巻き舌→英語→フランス語の順です。巻き舌は、一度できるようになってしまえば簡単(巻き舌の習得方法は過去記事「巻き舌の奇跡」参照)。現在、2~4は発音できるけれど、たぶん1はできてないと思う。


 ところが区別のつけやすさの順序は違い、3→1→2→4の順。4(歯茎はじき音 [ ɾ ])が一番Lと区別しづらい。どっちも日本語のラ行としか認識できない。アラビア語のラー( ر )は、3の巻き舌だということになっていて、確かに丁寧に発音してもらうと巻き舌なのだけれど、会話では、Lにあたるラーム( ل )と区別がつかない。なので通常は4で発音されている気がしてならない。




語頭・語中・語尾で区別しやすさは異なる

 英語のRだけにフォーカスしてみても、単語のどこにくるかで、Lと区別できるかどうかが変わってくるようです。


 1.一番区別しやすいのは語末に来た場合。たとえばmoreとmallはそれぞれ「モアー」「モール」と違って聞こえる。doorとdoll、fourとfallも同様。それぞれ「ドアー」「ドール」「フォアー」「フォール」と聞こえる。

 2.語頭に来た場合も、まだしも区別がつく。それぞれ「ライト」「ロング]とくっきり聞こえるlight、longに比べ、right、wrongは、語頭に「ゥライト」「ゥロング」みたいに、小さなゥが最初にくっついているような、くぐもった音に聞こえる。どうかすると「ワイト」「ウォング」みたいにも聞こえる。

 3.一番厄介なのが語中に来た場合で、-lyと-ry、-lationと-rationの区別なんて、ほとんど無理。flameとframe、clueとcrewなど、子音クラスターの後ろに来た場合も難しい。LとR 聞きわけコーナーというのをやってみたのですが、単語単体でじっくり聞いてさえ間違える;; -lyと-ryはどちらも「リー」だし、flameとframeはどちらも「フレイム」としか聞こえない。

 どうも、カタカナに直すと同じになってしまう場合はダメなようです。

 つまり音をカタカナに直して聞いているのだろうか??

 ・・・たぶん、そうだと思う。音を聞いた瞬間、長年の習慣で、自動的に日本語の五十音に当てはめてしまうんだと思う。

 でも語末は後ろに母音がついておらず、子音だけだと五十音に直しようがない。だから音をそのままの形で受け入れ、それで却って違いが分かるのかも。



話者によっても区別しやすさは異なる

 同じ語でも、誰が発音するかによって、判別しやすさがかなり違いますね。たとえばLとR 聞きわけコーナーでも、男性の発音はまだ判別がつく。女の子のほうはもう、ほとんど無理。

 もっと区別がつきやすいのは、いつもスカイプレッスンでお世話になっている先生方です。もともと発話が聞き取りやすいかどうかで選んだ先生方だからか、それともしょっちゅう声を聞いているからなのか、とにかくいつもお世話になっている先生の発音は、区別しやす~い!!

 あと、大好きなfrozenだと、Rの音がLにはない特徴を持って聞こえる気がする。特に歌っているのがCaleb Hylesだと、「ああ、これがRか!」と思う。




自分の声は神

 さらに。自分の声はもっと区別しやすい。初めてiPodで自分の声を録音してみて分かった。

 自分の声だと、音から口の中の舌の状態が、かすかにイメージできる気がする。そりゃそうよね、その口の形からその音が出てきたのだから。

 もしかして、もっと徹底的に自分の声を聴いたら、音を聞いた瞬間に、反射的に口の動きを思い浮かべられるようになるかも??と思いました。

 実は、「言い分けられれば、聞き分けられる」と聞いたことがあって、でも自分は、言い分けられるけれど、聞き分けられないので、ウソだろ、と思っていたんです。

 でももしかして、練習が足りないだけかも??という気がしてきました。




 あと、これまでは、実際に存在する単語しか発音したことがなかったのですが、「わたしの外国語学習法」(ロンブ・カトー著、米原万理訳)に、こんな一節がありました(p116)。

発音《drill》(訓練)は、現実には存在しない架空の語で行なうべき

 なぜ現実に存在する語ではダメかは書いてありませんが、イメージに邪魔されて、音に集中できないからかな??

 具体的には、
 われわれハンガリー人にとっては(もっともハンガリー人だけではありませんが)、《w》と《v》の発音の区別が、非常に困難です。そういう場合は、無限に《wo-vo》、《wa-va》、《we-ve》、《wi-vi》等々の音節を繰り返すことです。
とあります(p116)。


 自分の声を聴くなんて、まっぴらゴメン、と思っていたけれど、短い音くらいなら、それほど不愉快でもないのを発見。まずは英語のRに絞って、こういう練習をしてみようと思います。





阿寒湖
阿寒湖。






 

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