孫を見ていて思うこと

 1歳4ヶ月の孫は、よちよち歩いて、ごちゃごちゃ喋って、かわいい盛りです。

 孫が喋る言葉は世にも不思議な響き。聞いたことのない音の組み合わせで、意味があるんだかないんだか。全くデタラメなのかと思いきや、突然意味のある言葉を言ったりするから、本人は意味のあることを喋っているつもりなのかもしれません。



相手を選ぶ言葉

 わたしには理解できなくても、親には分かることもあるようです。ときどき「これはこういう意味」と娘が通訳してくれます。

 聴き取るほうもたぶん同じ。娘の言うことはけっこう分かっているようなので、喋れなくてももう理解はできるのかと思い、「ほら、お母さんが帰ってきたよー。迎えに行こうね」と繰り返しつつ迎えに出たのに、母親の姿を見て「あっ!!」と声を上げ、本気で驚いていた。・・・あらら、わたしが言ったこと、全然分かってなかったのね^^;。

 言葉が通じるかどうかは、言語の習熟度だけでなく、関係性が大きく係わってくるのですね。

 そういえば、赤ん坊が何を考えているのか、どうして欲しいのか、最初は親にも全然分からない。でもそのうち親には分かることが増えてくる。言葉が整うにつれ、徐々に周りの人とも話が通じ合えるようになり、ついには初対面の人とも意志の疎通が図れるようになる。


 最近わたしのロシア語も、ようやく会話がなんとか成立するようになってきたところ。とはいえまだへたっぴなので相手を選びます。誰とでも話が通じ合えるわけではなく、外国語教師の中でも、ごくごく限られた相手に限る。

 でも今はそれでいいのかなと、孫を見ていると思います。今のところは気心の知れた先生と心ゆくまで会話を楽しんでいれば、放っておいてもそのうち相手の範囲が広がっていくのではないかと。




犬芸は身を助く

 孫は本当に面白いです。

 どこで覚えたのか、スーパーの出入り口とか、エレベーターの扉が開いたときなど、誰彼構わず、「バイバーイ」と言いながらにこやかに手を振るのですが、「1.手を振ること」と「2.バイバーイという言葉」、そして「3.にこやかな笑顔」の三点が必ずセット^^

 意味が分かってやっているのではなく、「このシチュエーションではこう反応する」というのをどこかで覚え、口から発する音(言葉)、表情やアクションをセットでそっくり真似ているものと思われます。

 まさしく犬の「お手」「お座り」と同レベルの芸∪・ω・∪

 でもこうした犬芸は、言語取得においてけっこう重要かもと思ったりします。だってたいていの言語は「ハロー」といわれたら「ハロー」とオウム返しで返せば済みますが、アラビア語のように「アッサラームアレイクム(こんにちは)」と言われたら「ワレイクムッサラーム」、「サバーフルハイル(おはよう)」といわれたら「サバーフンヌール」と変化球で返さなくてはならない言語もありますもんね。これにはパブロフの犬的な条件反射が必要なわけです。

 それに「バイバイ」とか「さよなら」ってどういう意味か、よく考えたら大人でも分からない。人と別れるときにはそう言うものだと思ってるだけで、意味を考えながら言ってるわけではない。つまり大人だって日々「お手」とか「お座り」をやってるわけです。そしてその一連の犬芸を総称し「挨拶」と呼ぶ。


 これは自慢ですが、「Всем привет!(みなさんこんにちは!)」とロシア語で言うとき、わたしはアシヤさんの発音、抑揚だけでなく、表情、手の振り方までコピーしてる自信があります。だってほとんど毎回、アシヤさんの動画はこの一言から始まるものね。もう覚えちゃった( ̄ー+ ̄)ドヤァー

 唯一あの美貌だけはコピーできないのが残念ですが、あまりに刷り込まれているものだから、スカイプレッスンでもときどきそっくりそのままの表情、抑揚、アクションで言ってしまいそうになります。気分はもうyoutuber。ただ残念ながら個人レッスンなので、相手は全然「みなさん」じゃあないのよね・・・ (´・ω・`)

 でもこの間「всеの与格ってなんだっけ?」と思ったときこのセリフを思い出し、「всемに決まってるじゃん」と分かりました。まさしく犬芸は身を助く、であります^_^



シチュエーションの混同

 孫のアクションにはいろいろヘンなところがあります。

 たとえば、「ありがとう」と言いながらモノを渡したり。

 モノを渡す側が「どうぞ」と言い、受け取る側が「ありがとう」と言う。その立場の違いを時々混同してしまうようです。


 しかしわたしも孫を笑えない。実は昨日やってしまったんです。アラビア語で。

 お使いで図書室に雑誌を貰いに行ったのですが、最初は「部数があまりないのでダメ」と断られ、そこをなんとか、というつもりで「ミンファドリク(お願いします)」と言って頼もうとしたら、なぜか口から出てきたのは「タファッダル(どうぞ)」。「あんたの方が貰いに来たんだろうが」とツッコまれてしまいました でもそこ突っ込んでもらえてよかった。もしスルーだったらもっと恥ずかしかったに違いない^^;

 しかも実は先週も同じ間違いをしてまして。コックさんに料理をよそってもらおうと、皿を差し出しつつ「タファッダル(どうぞ)」と言ってもうた・・・。そのとき「ありゃりゃ」と思ったのに、また同じ失敗を繰り返してしまった。一体何年アラビア語やってるんだ。ダメじゃん (´・ω・`)

 でも孫と同じような間違いだと思うと、なんだか自分が許せる。ばばちゃまもお揃いであります^^

 それに結局粘り勝ちでお使いを果たせたので、結果オーライであります^^
 



成長しちゃったもん勝ち

 孫の成長過程には外国語学習に役立つヒントがたくさんあります。

 中でも一番大きいのは、「不完全で良い」という実感です。

 「間違えてもいい」とは誰もが口を揃えて言うセリフ。けれどもそれを実践している人は少ない。なぜか。大人の世界では完璧が求められるからです。その文化の摂取は早くも幼稚園あたりから始まる。そしてその文化を学びすぎてしまうと、不完全である自分が許せなくなるからです。

 でもまだその文化に染まっていない幼児が試行錯誤を繰り返しながら力強く成長していく様子を見ると、いま現在の完成度にこだわるより「とっとと成長しちゃったもん勝ちだな」と感じます。

 


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