知ってて良かった!ロシア語筆記体の繋げ方
35年前、一時ロシア語教室に通っていました。
週に一度、或いは月に二度くらいだったし、家で復習とか予習をせず、ただ出席するだけだったから、落ちこぼれでした。皆と一緒に中級に上がれなかったのを機会に、1年半で辞めてしまいました。
だからロシア語なんて、全くやってないのと同じ。あの一年半は無駄だったと思っていました。
でも今は、「あの昔の経験も全く無駄だったわけでもないんだな」と感じています。なぜって今回、「全くゼロからの出発」ではなかったからです。
まずなんといっても一番大きかったのは、キリル文字が読めることです。定期的にメンテしていたわけでもないのに、文字の読み方って案外覚えているものですね。
уを「イ」と読んじゃったりはпрを「ヌプ」と読んじゃったりは日常茶飯ですが(笑)。あと、最初から間違って覚えたのか、それとも途中で記憶が書き換わったのか、間違って覚えていたこともある。чтоを「チトー」じゃなく「シトー」と読むというのは新鮮だったし、борщが「ボルシチ」じゃなく「ボルッシ」と読むというのも新鮮でした。
・・・とまあ、そういう細かいアラは枚挙にいとまがありませんが、でも全く読めないわけじゃない。
初っ端から入門書のスキットが曲がりなりにも最後まで読めたんだから、たいしたものです。文字に慣れるのも、けっこう時間がかかりますから、昔ちょっとでもやっててよかった、と思いました。
キリル文字をブロック体で書くのは難しくはないのですが、まどろっこしく、時間がかかります。特に「д」。これがめんどくさい。速く書こうとすると、どうしても筆記体で書きたくなる。
ところがこの筆記体がけっこうむずかしい。まずブロック体からはとても想像できない文字の形がある。たとえば「т」。ブロック体と筆記体でえらい違い。これ↓、どう見たって「m 」にしか見えないよね・・・。
それより何より問題は、文字のつなげ方が書かれている本がほとんどないこと。一つ一つの文字の書き方は入門書にもたいてい載っていますが、それをどう繋げるのかまでは書かれていない。
わたしが知る限りで文字の繋ぎ方が載っているのは「ロシア文字の第一歩」だけです。これはキリル文字練習帳みたいな本。その本も絶版。
You tubeでキリル文字の書き方講座が見つかりますが、たいてい英語です。
でも、一文字一文字の形がきれいでも、繋ぎ方がおかしいと、ロシア語は全く違った綴りに読めてしまいます。キリル文字の筆記体で難しいのは一文字一文字の書き方よりも、文字の繋ぎ方だと思う。
特に一番厄介なのは「л」と「 м 」と「 я」 。書き始める前に必ず小さなフックをつけなくてはいけない。
たとえば「земля(地球)」だったら、以下のように書くわけです。
仮にこのフックを省略してしまうと:
・・・「зешя」としか読めない(そんな単語ないけど)。
でもさー、先生につかないで、独学でロシア語やってたら、そんなフックをつけなくちゃならないなんて、分かるわけないよね。自分の書き方に疑いを抱くチャンスすらない。自己流の筆記体で作文書いてソンをしている人、実際いるんじゃないかなあ・・・。
幸いわたしは昔教室に通っていたおかげで、頭では覚えていなくても、手が覚えていました。自然に手がフックをつけて書いていた。これはありがたいことだと思いました。教室に通うのも無駄じゃないわー。
ロシア語の筆記体は他にも、「こういう場合はどう続くんだろう?」っていう場合がいっぱいあります。特に、аとоは、かなり意識して書き分けないと、自分で読んでもどちらか判別がつかない。
一番良いのは、実際にロシア人が書いた筆記体を見ること。「Russian Cursive」で画像検索をかけるといろんなのがひっかかってきます。一番分かりやすいのは、このyou tubeとかこのページかな。実例をたくさん見ると、繋げると分かりにくい文字は無理してつなげなくても良いんだ、と分かります。
ところで下↓のスペル、なんて読むと思う?
正解は、 「лишишь」(リシーシ) 。「君は奪う」という意味。
ロシア語ってつくづくヘンよねー。こうなると、どこまでが一つの文字か分からない。よくアラビア語がどこで切れるのか分からないっていう人いるけど、アラビア語はこんな紛らわしい文字はない。
まあロシア語も、こういう分かりづらい単語の場合、шの上に横線を引くようです。
ほんのいくつかの単語と構文以外、単語も文法も全く覚えていないと思っていたのですが、耳で聞くと、意味までは分からないんだけど、「ん?なんとなくどっかで聞いたことあるような・・・」と思う単語はいくつかありました。たとえばвоскресенье(日曜日)とかвчера(昨日)とか。ほんとに僅かなんですが、それでもゼロじゃないのはちょっと嬉しかったり^^。
しかし文法は見事に忘れていたな。もう過去形の作り方からして新鮮だった(笑)。
あと、35年前にやっておいて良かったのは、巻き舌のр(エル)ができるようになったこと。これはずっと前に記事にしたので、詳しくはそちらをご覧ください(「巻き舌の奇跡」)。
ロシア語教室に通っていたのって、ただの黒歴史だと思ってたけど、こうしてみると、無駄どころか、けっこう役に立ってますね。何十年も経って突然役にたつこともあるんだー。
役に立つといえば、最近アフリカの先生を二人続けて指名したのですが(シエラレオネとケニア)、なんと二人ともロシア語が喋れる先生で、早速ちょびっとロシア語を使ってみました。お二人ともすごくノリのいい先生で(アフリカの先生はたいていノリが良い)、Молодец!(ナ~イス!)と大ウケしてくれました。何が役に立つか、分からないものです。
アフリカの先生が、英語はともかく、ロシア語が話せるとは普通思わないよね。でもそういうこともある。外国語はやっといてソンはないです。いつどんなところで話者にめぐり合うか分からないんだから。
ちなみにわたしは日本で(しかも藤沢で!)、突然フランス語で道を聞かれたこともあるし、前を歩いているアラブ人が痴話げんかしているのが分かっちゃったこともあります。フランス人は、慌ててたので、おもわず母語がでちゃったんでしょうね。アラブ人は、まさかこんなところにアラビア語を理解する人間がいるとは思わなかったに違いない(笑)。たしか巣鴨かどっかでした(なんでそんなところにいたんだろう、わたし)。
そいえばつい数ヶ月前はフィンランド人に話しかけられ、電車の中で一緒にフィンランディアを歌ったっけ。
DMMにはロシア人以外にもけっこうロシア語が話せる先生がいるので、期待しています。ロシア語に関しては、先生には全く苦労しなさそうです。
週に一度、或いは月に二度くらいだったし、家で復習とか予習をせず、ただ出席するだけだったから、落ちこぼれでした。皆と一緒に中級に上がれなかったのを機会に、1年半で辞めてしまいました。
だからロシア語なんて、全くやってないのと同じ。あの一年半は無駄だったと思っていました。
でも今は、「あの昔の経験も全く無駄だったわけでもないんだな」と感じています。なぜって今回、「全くゼロからの出発」ではなかったからです。
キリル文字が読める
まずなんといっても一番大きかったのは、キリル文字が読めることです。定期的にメンテしていたわけでもないのに、文字の読み方って案外覚えているものですね。
уを「イ」と読んじゃったりはпрを「ヌプ」と読んじゃったりは日常茶飯ですが(笑)。あと、最初から間違って覚えたのか、それとも途中で記憶が書き換わったのか、間違って覚えていたこともある。чтоを「チトー」じゃなく「シトー」と読むというのは新鮮だったし、борщが「ボルシチ」じゃなく「ボルッシ」と読むというのも新鮮でした。
・・・とまあ、そういう細かいアラは枚挙にいとまがありませんが、でも全く読めないわけじゃない。
初っ端から入門書のスキットが曲がりなりにも最後まで読めたんだから、たいしたものです。文字に慣れるのも、けっこう時間がかかりますから、昔ちょっとでもやっててよかった、と思いました。
キリル文字が書ける
キリル文字をブロック体で書くのは難しくはないのですが、まどろっこしく、時間がかかります。特に「д」。これがめんどくさい。速く書こうとすると、どうしても筆記体で書きたくなる。
ところがこの筆記体がけっこうむずかしい。まずブロック体からはとても想像できない文字の形がある。たとえば「т」。ブロック体と筆記体でえらい違い。これ↓、どう見たって「m 」にしか見えないよね・・・。
それより何より問題は、文字のつなげ方が書かれている本がほとんどないこと。一つ一つの文字の書き方は入門書にもたいてい載っていますが、それをどう繋げるのかまでは書かれていない。
わたしが知る限りで文字の繋ぎ方が載っているのは「ロシア文字の第一歩」だけです。これはキリル文字練習帳みたいな本。その本も絶版。
You tubeでキリル文字の書き方講座が見つかりますが、たいてい英語です。
でも、一文字一文字の形がきれいでも、繋ぎ方がおかしいと、ロシア語は全く違った綴りに読めてしまいます。キリル文字の筆記体で難しいのは一文字一文字の書き方よりも、文字の繋ぎ方だと思う。
特に一番厄介なのは「л」と「 м 」と「 я」 。書き始める前に必ず小さなフックをつけなくてはいけない。
たとえば「земля(地球)」だったら、以下のように書くわけです。
仮にこのフックを省略してしまうと:
・・・「зешя」としか読めない(そんな単語ないけど)。
でもさー、先生につかないで、独学でロシア語やってたら、そんなフックをつけなくちゃならないなんて、分かるわけないよね。自分の書き方に疑いを抱くチャンスすらない。自己流の筆記体で作文書いてソンをしている人、実際いるんじゃないかなあ・・・。
幸いわたしは昔教室に通っていたおかげで、頭では覚えていなくても、手が覚えていました。自然に手がフックをつけて書いていた。これはありがたいことだと思いました。教室に通うのも無駄じゃないわー。
ロシア語の筆記体は他にも、「こういう場合はどう続くんだろう?」っていう場合がいっぱいあります。特に、аとоは、かなり意識して書き分けないと、自分で読んでもどちらか判別がつかない。
一番良いのは、実際にロシア人が書いた筆記体を見ること。「Russian Cursive」で画像検索をかけるといろんなのがひっかかってきます。一番分かりやすいのは、このyou tubeとかこのページかな。実例をたくさん見ると、繋げると分かりにくい文字は無理してつなげなくても良いんだ、と分かります。
ところで下↓のスペル、なんて読むと思う?
正解は、 「лишишь」(リシーシ) 。「君は奪う」という意味。
ロシア語ってつくづくヘンよねー。こうなると、どこまでが一つの文字か分からない。よくアラビア語がどこで切れるのか分からないっていう人いるけど、アラビア語はこんな紛らわしい文字はない。
まあロシア語も、こういう分かりづらい単語の場合、шの上に横線を引くようです。
聞いたことのある単語
ほんのいくつかの単語と構文以外、単語も文法も全く覚えていないと思っていたのですが、耳で聞くと、意味までは分からないんだけど、「ん?なんとなくどっかで聞いたことあるような・・・」と思う単語はいくつかありました。たとえばвоскресенье(日曜日)とかвчера(昨日)とか。ほんとに僅かなんですが、それでもゼロじゃないのはちょっと嬉しかったり^^。
しかし文法は見事に忘れていたな。もう過去形の作り方からして新鮮だった(笑)。
巻き舌のр(エル)
あと、35年前にやっておいて良かったのは、巻き舌のр(エル)ができるようになったこと。これはずっと前に記事にしたので、詳しくはそちらをご覧ください(「巻き舌の奇跡」)。
ロシア語教室に通っていたのって、ただの黒歴史だと思ってたけど、こうしてみると、無駄どころか、けっこう役に立ってますね。何十年も経って突然役にたつこともあるんだー。
役に立つといえば、最近アフリカの先生を二人続けて指名したのですが(シエラレオネとケニア)、なんと二人ともロシア語が喋れる先生で、早速ちょびっとロシア語を使ってみました。お二人ともすごくノリのいい先生で(アフリカの先生はたいていノリが良い)、Молодец!(ナ~イス!)と大ウケしてくれました。何が役に立つか、分からないものです。
アフリカの先生が、英語はともかく、ロシア語が話せるとは普通思わないよね。でもそういうこともある。外国語はやっといてソンはないです。いつどんなところで話者にめぐり合うか分からないんだから。
ちなみにわたしは日本で(しかも藤沢で!)、突然フランス語で道を聞かれたこともあるし、前を歩いているアラブ人が痴話げんかしているのが分かっちゃったこともあります。フランス人は、慌ててたので、おもわず母語がでちゃったんでしょうね。アラブ人は、まさかこんなところにアラビア語を理解する人間がいるとは思わなかったに違いない(笑)。たしか巣鴨かどっかでした(なんでそんなところにいたんだろう、わたし)。
そいえばつい数ヶ月前はフィンランド人に話しかけられ、電車の中で一緒にフィンランディアを歌ったっけ。
DMMにはロシア人以外にもけっこうロシア語が話せる先生がいるので、期待しています。ロシア語に関しては、先生には全く苦労しなさそうです。